リテールメディア隆盛の今、「Rokt Ads」が実現する新しいマーケティングとは。「Rokt Agency Partner Summit」イベントレポート
サードパーティークッキーの規制強化などを受け、いま大きく変わろうとしているデジタル広告業界。多くの企業が、自社の商品やサービスを消費者に訴求する新たな方法を模索する中、“リテールメディア”に注目が集まっています。
ECサイトの「購入完了画面」を活用し、ファーストパーティーデータと機械学習によって顧客に最適なオファーを届ける独自のソリューションを提供するRoktでは、2024年5月16日、代理店パートナー様をお招きし「Rokt Agency Partner Summit」を初開催。Rokt Adsの提供する独自の価値、Roktの目指すこれからの広告の在り方などをお伝えするほか、Rokt Adsのパフォーマンスをさらに高める3つの具体的な機能、実際にRokt Adsを日々ご提案いただいている代理店パートナー様の生の声もお届けしました。
本記事では、イベント内で語られた内容を要約してご紹介いたします。
目次
- ベストなタイミングで最適なオファーを提供するRoktの独自性と、リテールメディア市場のポテンシャル
- なぜ、ECにおける「購入の瞬間」が効果的なのか
- 全ての顧客に最適な金額で広告を入札:スマートビディング
- Rokt Adsだから獲得できる、まったく新しい顧客層:インクリメンタリティ
- 顧客ごとに作られるタグを活用し、一連のコンバージョンを最適化:ダウンストリームコンバージョン
- Rokt Adsを提案される中で見出した、手応えや成果
Roktの最高マーケティング責任者Doug Rozenによるビデオメッセージで幕を開けたRokt Agency Partner Summit。
Roktが、日本市場へ今後さらに注力していくことが語られた
ベストなタイミングで最適なオファーを提供するRoktの独自性と、リテールメディア市場のポテンシャル
最初に行われた講演は、Rokt日本法人代表、三島健による「Roktと実現する新たなリテールメディアの機会」です。Roktが提供する独自の価値と、リテールメディア市場の可能性について解説されました。
小売事業者が運営するECサイトや実店舗を広告媒体面として活用するリテールメディアは、現在急成長しています。市場規模は、世界で年間21兆円、日本でも年間20%で成長し、現在の4,600億円から、2027年には9,000億円を超えると予測されています。
リテールメディア市場が急成長している背景には、小売やeコマース事業者が、物販以外の収益源確保に向けて、戦略を変化させていることが挙げられます。また、サードパーティークッキーの規制強化により、広告主が新たなターゲティング手法を模索し始めたことも背景の一つです。特にEC上のリテールメディアは、買い物行動中の消費者に直接アクセスでき、ECサイトが保有するファーストパーティーデータを活用して効果的に接触できるため、ポストクッキー時代の有効なマーケティングソリューションとして注目されています。
「Roktは、消費者がECサイトで買い物を完了した直後の「購入確認画面」で、ファーストパーティーデータと機械学習技術を用いて、一人ひとりの顧客にとってレレバンス(関連性)の高いオファーを提示します。Roktのソリューションの核心は、消費者にベストなタイミングで、有益なオファーを提示し、コンバージョン率を最大化することにあります」(三島)
サードパーティークッキーの規制強化を受け、広告出稿者からもファーストパーティーデータを活用できるリテールメディアへの期待が高まる
なぜ、ECにおける「購入の瞬間」が効果的なのか
次に、Roktビジネス開発の松田誠より、「Rokt Ads プロダクト ディープダイブ」と題し、ECサイトの購入完了画面で外部広告主のキャンペーンオファーの提示を可能にする顧客獲得チャネル「Rokt Ads」についての講演が行われました。
「購入の瞬間は、消費者にとって特別なタイミングです」と松田は強調します。松田はその理由として、購入の瞬間の消費者の行動に秘められた、3つの重要な要素について解説を続けました。
「1つは、買いたかったものを買った瞬間というのは、消費者が幸福を感じているタイミングであることです。ポジティブな感情が、広告に対する受容性を高めます。
次に、購入完了画面は、無事決済が完了したかを見届けるため、消費者の注意力が高まっているタイミングであることです。このページが表示される前にブラウザを閉じる方はいませんよね。広告メッセージがより効果的に伝わります。
そして、ファーストパーティーデータが活用できることも重要な点です。購入の瞬間には、顧客情報、決済情報、商品情報など様々なファーストパーティーデータが利用できるため、その顧客にとって真に関連性の高いオファーを選びぬき、提供することが可能です」(松田)
3つの要素が組み合わさる購入の瞬間は、非常に高い経済価値を持ちます。Roktはこの価値を最大限に活用し、消費者に“ベストな広告”を提供しています。
「Rokt Adsは、特にリードやサブスクリプションの顧客獲得キャンペーンに適しています。ファーストパーティーデータから期待されるコンバージョンの確率を算出し、適切な顧客にリーチします。また、商品購入後のポジティブな感情がさらなる購入を促すため、即決できるようなオファーを伴うキャンペーンが適しています」(松田)
Rokt Adsの個性とポテンシャルについて説明した松田は、Rokt Adsを取り扱う上で、パフォーマンスを最大化する具体的な3つの手段について、さらに詳しく説明を続けました。
全ての顧客に最適な金額で広告を入札:スマートビディング
「まず1つ目が、スマートビディングです。これは機械学習を活用した広告の入札プロセスを最適化する自動入札のエンジンです」(松田)
スマートビディングは、顧客ごとのクリックの価値(コンバージョン期待値)を、ファーストパーティーデータと配信結果の学習により算出します。コンバージョン期待値を基に入札を行うため、全ての消費者に対して最適な金額で入札することが可能です。さらに、出稿ボリュームや予算などの要望に応じて、適切な消費者へ出稿します。
スマートビディングを使えば、入札機会を逃したり、必要以上の金額を支払ったりすることなく、全ての顧客に対して適切な金額で入札することが可能に
最大の特徴は、顧客の性質が強く現れる、物を購入する際のファーストパーティーデータを活用できる点です。機械学習が進むにつれ、性別、年齢、購入履歴などの細かいレイヤーまで分析が行われ、広告配信の精度が向上します。
講演内では、環境に配慮した商品を販売するGrove社が行ったキャンペーンの実例が紹介されました。Grove社は、スマートビディングを活用することで、初期段階からCPAを達成しつつ、顧客獲得件数を29倍に増やすことに成功しました。
Rokt Adsだから獲得できる、まったく新しい顧客層:インクリメンタリティ
「インクリメンタリティは、日本語では“増加分”と訳されますが、Rokt Adsで獲得できる新しい顧客を意味します。Rokt Adsは、これまで他のマーケティングチャネルでは接触したことがない人に対しても、ECサイトで購入を完了したタイミングでリーチし、顧客に転換させることができます」
マーケティング活動は基本的に、ファネル構造で作られます。企業は、認知の獲得から購入決断に至らせるまで、そのステップごとに異なるチャネル、戦略を立て、複合的なアプローチを展開する必要があります。一方Rokt Adsは、必ずしも事前に顧客がブランドを認知していなくとも、購入の瞬間の持つインパクトで、一気にコンバージョンに繋げることができます。
ファネルごとに行われるマーケティング活動に対し、認知から決断までを一気に誘導することが可能
講演内では、食材の宅配事業を展開するHelloFreshの事例が紹介されました。HelloFreshがRokt Adsを通じて獲得した顧客の75%が、インクリメンタル、つまり他のマーケティング手法では獲得できなかった新しい顧客だったことがわかっています。
顧客ごとに作られるタグを活用し、一連のコンバージョンを最適化:ダウンストリームコンバージョン
最後に取り上げられたのが、ダウンストリームコンバージョンの最適化です。ダウンストリームコンバージョンは、キャンペーンを展開する過程で生じる、初回のコンバージョン(ファーストコンバージョン)から本契約に至る二次的なコンバージョン(セカンドコンバージョン)を指します。
「多くの企業はファーストコンバージョンを獲得するためにコストをかけていますが、本契約に繋がらなければ、かけたコストが無駄になってしまいます。Roktは、セカンドコンバージョンをベースにキャンペーンを最適化することで、効率的に顧客を獲得し、コストを最小限に抑える手法を提供します」(松田)
Rokt Adsは、セカンドコンバージョンを行った顧客を特定、その特性を機械学習で分析し、以降のキャンペーン最適化に役立てます。プログラミングや個人情報の管理を必要としない、タグを用いたシンプルなソリューションです。
講演内では、セカンドコンバージョンをベースにキャンペーンを最適化することで、有料会員への転換率を20%向上させた実例が紹介されました。
Rokt Ads提案の中で見出した、手応えや成果
Roktは、Roktの提供するソリューションを深く理解し、そのポテンシャルを広告主様にご提案いただいている代理店パートナー様によって支えられています。
代理店パートナーとして活躍してくださる皆様が、日々Rokt Adsをどのように提案され、結果としてどのような手応えや成果を感じているのか伺いました。ここでは、Rokt Agency Partner Summitに参加いただいた一部の代理店パートナー様のコメントを紹介します。
株式会社 電通デジタル パフォーマンスエクセレンス部門 第1事業部 第2グループ グループマネージャー 庄山武蔵氏
「オファーを提示する場所が購入後に特化している点が、効果的だと思います。顧客にとって、何かを見たり使ったりしている最中とは異なり、よりオファーを受け取りやすいタイミングであると感じます。機械学習を用いて、顧客に関連性の高いオファーを提示できることも大きな魅力です。Rokt様との取り組みは今年で6年になりますが、効率よく、定常的に良いパフォーマンスをあげられています」
Septeni Japan株式会社 統合マーケティング本部 メディア/プラットフォーム領域担当本部長 本間崇司氏
「新しい広告掲載面を探している広告主様が多い中、購入完了画面でのみオファーを掲載するという、Rokt Adsのわかりやすく、独自性がある設計が評価されていると思います。確実な実績を出している信頼できるソリューションだと感じています」
株式会社サイバーエージェント ADNW局局長 金子傑氏
「広告主様にRokt Adsをご提案する際は、購入後にオファーを提示できる独自性と、顧客ごとに適切なオファーを届けられるユーザー体験の良さをお伝えしています。他にはないソリューションなので、喜んで話を聞いてくださる広告主様も多く、実際に運用を始めると、顧客のオファーに対する高い反応率を獲得できています」
株式会社オプト メディア・プラットフォーム戦略部1部 部長 兼 メディア・プラットフォーム企画室室長 山本孝太郎氏
「決済後という顧客の喜びが高まるタイミングに、魅力的なキャンペーンを組み合わせてさらなる価値を生めることに、強いポテンシャルを感じています。カンファレンスの中で話があったスマートビディングなどを活用することで、さらなる強みが出てくるように思い、広告主様とさらなる挑戦をしていきたいと考えています」
Rokt Agency Partner Summitの最後には、Roktを活用したマーケティング活動の実施および事業の成長に大きく貢献いただいた日本国内の代理店パートナー企業様に贈るアワード「Rokt Agency of the Year Awards」の発表も行いました。アワードについての詳細は、こちらのプレスリリースをご覧ください。
Roktが国内代理店パートナーを表彰する「Rokt Agency of the Year Awards 2024」の受賞企業を発表。
さらに、今回のイベントにてスペシャルコンテンツとして実施した、Roktの代理店パートナーであるSupershipとRoktの対談セッションの内容について、Supershipが運営するデジタルマーケティングマガジンメディア「SuperMagazine」にてレポートを掲載頂きましたので、ご紹介させていただきます。
SupershipがRoktとともに実現する三方よしのECリテールメディア広告運用事例