ECの収益・顧客満足度を向上させるリテールメディアの新たな潮流「ノンエンデミック広告」とは

オンライン広告の世界がめまぐるしく進化を続ける中、小売・EC事業者は、顧客体験と収益向上を両立させるための新たな可能性を見出しはじめています。その一つが、欧米で注目を集めているリテールメディアネットワークです。
リテールメディアネットワークとは、EC事業者が自社の顧客データ(ファーストパーティデータ)を活用し、自社サイトに出店するメーカーやブランドといったパートナーに代わって商品やサービスをプロモーションするための仕組みです。

この仕組みは既に広く普及しています。自社ECサイト内に広告枠を設け、顧客の購入・行動データに基づいた最適な広告を表示することで、顧客が積極的に買い物をしているその瞬間に、パートナー企業(広告主)の商品を効果的に訴求できます。
リテールメディアネットワークの特に優れている点は、限定されたプラットフォームで運営されるため、広告費の効果測定が正確に行えることです。広告主にとっては、投資対効果を確実に把握できるのは大きな利点と言えるでしょう。
一方でEC事業者にとっては、リテールメディアネットワークは顧客に新たな価値を届けながら、同時に新たな収益の柱を作ることのできる、有効なアプローチだと考えられています。以下に詳しく見ていきましょう。

 

ノンエンデミック広告とは? エンデミック広告との違いとその効果

クッキーや広告IDを活用する旧来の広告手法への規制は年々厳しくなっており、マーケターはこれらに代わる効果的なアプローチを求めています。こうした背景のもと、欧米で積極的に採用され始めているのが「ノンエンデミック広告」です。

通常、広告は媒体となるメディアやプラットフォームの主要なテーマやコンテンツに関連する内容を表示するもので、これをエンデミック広告と呼びます。例えば、ファッションサイトに掲載される靴やバッグの広告や、ショッピングサイトのスポンサードプロダクト広告がこれに当たります。一方、ノンエンデミック広告とは、その主要なテーマやコンテンツとは直接関連しない商品やサービスの広告を指します。ファッションサイトに車や食品の広告が掲載されるようなケースです。これにより、リテールメディアネットワークの広告チャネルを拡張・補完し、広告主の組み合わせを広げることができます。結果として、顧客により関連性の高い買い物体験を提供できるだけでなく、EC事業者にとってはさらなる広告収益の増加を実現できます。

エンデミック広告は、商品をカゴに入れるまで、つまり顧客がもともと買いたいと思っていたものを購入するまでのフェーズにおいては非常に効果的ですが、それ以降のフェーズでのインパクトは限定的です。一方、ノンエンデミック広告は、顧客の購入意欲が高い瞬間を活用し、目新しく関連性の高いオファーを提示することで、高いエンゲージメントとコンバージョンに結びつけることができます。

日本においても、リテールメディアネットワークを活用したエンデミック広告とノンエンデミック広告の組み合わせで、顧客満足度を向上させ、リピーターの増加や追加購入を促進する効果が期待されています。

 

 

ノンエンデミック広告の運用で重要な3つのこと

レレバンス(関連性)

「レレバンス」とは、「関連性」を意味し、マーケティングの世界では顧客の「好みや嗜好に合う」「興味・関心に合う」といった意味で使われます。ノンエンデミック広告の成功には、このレレバンスが鍵となります。リテールメディアネットワークで得られる豊富なファーストパーティデータと高度な機械学習テクノロジーを活用することで、EC事業者は「カゴに追加」「購入中」「購入後」に至るまでのすべての顧客体験を最適化できます。例えば、引っ越し用品を購入した顧客に対して、そのECサイトで直接販売していない火災保険を提案することが考えられます。Harris Pollの調査によると、買い物客の約半数が購入後に自分にとって関連性のあるオファーを見たいと考えています。このように、関連性の高いノンエンデミック広告は顧客に新たな価値を提供し、ロイヤルティの向上につながります。

タイミング(購入の瞬間)

ノンエンデミック広告を効果的に運用するためには、顧客エンゲージメントが最も高まる瞬間を捉えることが重要です。購入の瞬間に関連性の高いオファーを提供することで、包括的なEコマース体験を実現し、さらなる収益機会の創出が可能となります。例えば、家庭菜園を始めようとしている顧客には、植物のタネや肥料といったエンデミック商品に加え、料理番組のストリーミングといったノンエンデミックオファーを同時に宣伝することで効果が期待できます。リアルタイムのデータ分析により、同じ顧客が複数の興味を持っていることを把握し、適切なタイミングでオファーを提示することが求められます。

 

データ活用(AIを使ったテクノロジー)

調査によると、顧客にとっての関連性が高いノンエンデミック広告オファーを提示することで、EC事業者は100万トランザクションごとに最大30万ドルの収益増加をもたらす可能性があります。そして、高い関連性を担保するには、高度な機械学習を活用することが極めて重要です。例えば、Roktの技術は顧客一人ひとりに最適化されたオファーをリアルタイムで表示することを可能にします。これにより、個々の顧客の興味や行動を深く理解し、EC事業者と広告主はそれぞれの購買パターンを正確に捉えることができます。10年以上にわたり培われてきたRoktの機械学習テクノロジーは、顧客体験の向上と収益の最大化に直結する強力なツールとなっています。

ノンエンデミック広告のメリットを最大限に活用する

Roktのノンエンデミック広告に対するアプローチは、Eコマースで求められる様々な条件を満たします。以下にその特徴をご紹介します。

 

プレミアムなノンエンデミック広告を保証

Roktは、限定されたネットワーク内で大手広告主からのプレミアムなオファーを扱い、高度な機械学習を活用して、顧客にとって最も関連性が高く価値のあるオファーのみを提供します。これにより、リテールメディアネットワークは多様で高品質な広告機会を提供することが可能となります。

 

自社ECサイトの顧客体験を阻害しない

Roktは、EC事業者のサイトで購入が完了した後に顧客にノンエンデミックオファーを提供するため、商品選択やコンバージョンが中断されることはありません。Roktを通じ、顧客がノンエンデミック広告主のオファーをクリックするたびに、EC事業者は付帯収益を生み出すことができます。

 

パーソナライズされたオファーで顧客体験を向上

RoktのAI技術と豊富なファーストパーティデータを活用することで、EC事業者は個々の顧客に合わせた関連性の高いノンエンデミックオファーを提供できます。これにより、顧客のショッピング体験が向上し、実際に顧客生涯価値 (LTV) を高めることができます。

 

表示する広告をコントロール

EC事業者は、自社サイト上でRoktのプラットフォームに表示される広告をコントロールすることができます。具体的には、特定の広告主や、広告主の業種およびカテゴリに対して「許可/ブロック」の管理が可能です。

ノンエンデミック広告を既存のリテールメディアネットワークに組み込むことで、EC事業者は顧客ロイヤリティ、エンゲージメント、コンバージョンをさらに促進する新しいマーケティングチャネルを手に入れることができます。Roktは、高度なテクノロジーと信頼できるパートナーシップにより、顧客の「購入の瞬間」の価値を最大限に引き出します。

 

詳しくは、Rokt Ecommerce紹介ページをご覧ください。また、貴社のビジネス目標達成に向けたRoktソリューションの活用については、「資料請求・お問い合わせ」ページからお気軽にお問い合わせください。